すき焼き中川 x ISSO TEA
ISSO TEAをお取り扱いいただいている香港「すき焼き中川」。関西風すき焼きを提供する「すき焼き中川」は、2024年4月に香港銅鑼湾Causeway Bayのダイニングビル「CUBUS」にオープン。すぐにメディアや食通の方々に注目され、リピーターにも愛されている、香港で最も評価の高い、話題のレストランの一つです。今回、そこで料理長を務める板垣和幸シェフ(以下、板垣)にお話をお伺いしに行きました。
ISSO :改めて「すき焼き中川」という店名の由来を教えてください。
板垣:幕末から明治にかけて、江戸の町で最初に牛肉を売り、牛鍋屋を開いた、中川嘉兵衛(かへえ)の名前にちなんで、「中川」を店名にしています。
ISSO :お客様でにぎわっていらっしゃいますね。
板垣 :ありがたいことに、食通の方々、メディアグループの方々、著名な方々など多くの方々に来ていただいています。口コミやウェブ、SNSなどで「中川は美味しい」「板垣というシェフがいる」と広まってご来店くださり、気に入って、リピートしてくださっています。
ISSO :板垣さんとの会話を楽しんでいらっしゃるお客様も多い印象です。
板垣 :お一人お一人のお客様とのやりとりを心がけています。お客様とは食事が終わった後も、交流があります。SNSでつながりができて、やりとりをさせていただくお客様もいらっしゃいます。料理の美味しさについて、妻と話していたというような連絡をいただいたりもします。
ISSO :どのようなシーンで、お店にいらっしゃるお客様が多いのでしょうか。
板垣 :皆さま、大切な方をお連れするお店を探していらっしゃり、そのような場面でお越しくださっている方も多いです。時には中川がバースデーソングで溢れることもあるように、誕生日のお祝いとして来てくださる方もいらっしゃいます。
一度来て気に入ってくださって、お知り合いを連れて、翌日来てくださる方もいらっしゃいますよ。
ISSO :一つ一つの食材にストーリーがあるように感じました。
板垣 :お客様からもそのようなお言葉をいただくことがよくあります。良いものを出したいと思っています。ISSO TEAもそうですが、本当に、美味しくて、体に良いものを、僕たちが信じているものを、胸をはって言えるものを、お出ししています。
例えば、こだわりの卵、お刺身の醤(ひしお)やフォアグラの構成にしろ、お客様にはじめての体験をいただき、そのことについて思い出したり、お話しいただく時間も楽しんでいただきたいと思います。
ISSO :様々なメニューのアイデアの根源はどこから来るのでしょう。
板垣 :今までの集大成をお出ししています。仕事の後に、パッと思いつくものもありますよ。
ISSO :香港ですき焼きを提供するというのは、日本で提供することと違う点はありますか。香港の方々の嗜好を意識しつつ、板垣さんが自信をもってお出しできるものをご提示しているのでしょうか。
板垣 :お客様の95%くらいが香港の方です。国は違えどベースとなるものは変わりがありません。でも、ローカルの食材、香港の料理人の意見は意識しています。例えばフレンチトーストにフォアグラをのせているメニューも、香港の方々の根源にある、甘い卵のエッグタルトから発想しています。
ISSO:シェフとして大事にしていること、お聞きしたいです。
板垣 :常に、自分が食べたい料理、大切にしている方が来るときに出す心構えでお出ししています。心を込め、胸を張って出せるものをお出ししています。
また、お客様が見えなくなるまでお見送りをすることも、大切にしています。忙しくても、仲良くなったお客様から見送りはしなくて良いとおっしゃっていただいても、僕の仕事は終わっていません、と言ってお見送りをしています。
ISSO :忙しい香港の方々にはどのような食のライフスタイルがあるのでしょう。
板垣:おしゃれなコーヒースタンドなども新しくできていて、紙のコップをもっていることがステータスで、気持ちを上げるものになっているようです。フルーツが入っている美味しいお茶のお店もあり、レモンティーの店が増えています。色々なフレーバーがあって、若い方たちがよく飲んでいます。
ISSO:板垣さんにとってのお茶とは?
板垣:良いお茶、確かなもの、その店に行かないと食べられない、飲めないものというのは、大事だと思っています。飲むシーンというものも大切にしています。食事と合うお茶のコースやお茶を使った料理も、もっとご提案していきたいと思っています。
ISSO:ISSO TEAに対してのお客様の反応はいかがでしょうか。
板垣:お客様はISSOのお茶を、「美味しい」「素晴らしい」「今まで飲んだことのない味わい」だとおっしゃいます。香りが豊かで、余韻が長いと評価してくださっています。色も美しいので、写真を撮ろうとおっしゃいます。
美味しいお茶を出すと、料理も上がります。飲み物の力で、お客様は魔法にかかります。次に出てくる料理が、美味しくなります。その力に頼って、僕たちはやっています。お茶を通じて、お客様が心開いてくださり、食材についてのご説明を聞いていただけたりと、お茶の力に助けられている部分があります。
お茶を食事とあわせることで、心を込めた丁寧なおもてなしができる文化が香港にもあります。
ISSO:一期一会の味を大切に淹れてくださっていることをとてもありがたく思っています。そして、地元の方々にも受け入れていただいて、とても嬉しく思います。
最後にぜひ、板垣さんの夢をお聞きしたいです。
板垣:何者かになりたいと思って、走ってきて、それが世の中のためになれば良いと思っています。僕は父と母の想いを継いでいます。家は継げませんでしたが(板垣さんのご実家は畜産農家)、美味しい牛肉を香港の方々に食べてもらいたいと思っています。
両親にもとても良くしてもらい、影響を受けているので、板垣という名前が、香港と日本に知られれば親孝行になるかなと思っています。
僕ももう50歳手前。最後にもう一回チャレンジしたい、できることはなんでもやりたいと思っています。応援してくれる方々もいて、ありがたいと思っています。
そして、いつか奥さんとのんびり旅行できたら良いなと思っています。
ISSO:とても繊細で、奥深い板垣さんのお人柄が表れるお料理を満喫させていただきました。ありがとうございます。これからも楽しみにしています。
香港「すき焼き中川」料理長:板垣和幸氏プロフィール:
1978年生まれ 秋田出身。 東京とアムステルダムのホテルオークラの和食「山里」で修行。 日本料理を深く学ぶため、帰国後は麻布十番 露庵たちばな橘花楼で働く。 実家の畜産業の影響で、鉄板焼や秋田の郷土料理屋に従事した後、銀座で溶岩石グリルとフレンチを学ぶ。 2024年に香港コーズウェイべイにすき焼き中川をオープン。 生産者の想いや、素晴らしい食材のストーリーをお客様に伝える事を大切に料理と向き合っています。
香港「すき焼き中川」
日本の中でも最高級の食材を選び抜いて、関西風のすき焼きをご提供しています。上質な牛脂と白ザラメ糖、特別な醤油を使い、最高の牛肉に纏わせ、食材の味を引き出します。長い研鑽の末に磨かれた食材にあるストーリーを感じていただけたら幸いです。
住所:Shop B, 3/F, Cubus, 1 Hoi Ping Road, Causeway Bay, Hong Kong
TEL : +852 5394 3688
料理長:板垣和幸
WEBサイト:https://www.instagram.com/sukiyaki.nakagawa
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